あなたの物流アドバイザー MONOLIX

株式会社モノリクス

フリーと駆動の選択が、運命の分かれ道。

コラム
齋藤紀之(さいとう のりゆき)

齋藤紀之(さいとう のりゆき)

代表取締役社長 兼 物流機械アドバイザー
特技:レゴブロックとパワポを使ったアイデア機械の構想
趣味:剣道(息子と毎週通っています)

ローラーコンベア

 

今回は、コンベヤを使って設備化を図る際のチョッとした選択のコツを深掘りしたいと思います。

 

目次

■コンベヤを用途別に分けていくと色々な種類に分かれます。

 

代表的なものを並べると、
ベルトコンベヤ ローラコンベヤ チェンコンベヤ
スラットコンベヤ スクリューコンベヤ シートコンベヤ
エプロンコンベヤ メッシュコンベヤ 振動コンベヤなどがあります。

各々の詳細は、また別の機会に・・・

 

さて、コンベヤを種類以外で分けてみると
高重量、低重量に別れたり、駆動有り・駆動なしに別れたりします。

高重量・低重量 :重たいと思うイメージ→ 100kgかな 1000kg=1ton かな 5tonかな?

実は、業界によってマチマチです。扱う対象によって変わります。

ただし、人が持って運べる重量⇒ 0kg~100kgまで(一般に30kg)
車輪の上に載せて運べる重さ⇒ 0kg~1ton(条件よくて2ton)
フリーのローラコンベヤの上に載せて、人が押して運ぶことが出来る重さは、1ton程度までです。

 

さて、定義はこの辺までとして、コンベヤ設備をこれから構築しようと思ったとき、
安く仕上げるために、フリーコンベヤを多用することが多いのではないでしょうか。フリーローラの特徴やメリットデメリットを理解することで、駆動コンベヤのメリットデメリットも同時に理解いただけると、幸いです。

 

【フリーローラコンベヤ】

 
名前の通り、フリー:駆動が無い ローラー(コロコロ)の コンベヤです。 技術的には非常に単純で簡単なものです。物(荷物・貨物)を動かす方法として、傾斜(重力を頼りにする)・人力(人が押して送る)・余力(上流に駆動元がある場合)が、考えられる。

 

【万有引力は、万能??】

 
傾斜を使って荷物を運ぶフリーコンベアは、コンベヤを傾けているだけで荷物が進むので、楽かつエコです。

しかし、重力加速度は距離と共に「加速度的」に増えていきます。初速がすごく遅い割に加速が増してしまった荷物は、逆に止めることが難しくなります。勢いに乗った荷物が前の荷物にぶつかって破損するなど、事故が耐えません。しかし、速度が乗るまでに箱の底面形状の影響を受けて、ジワ~リ止まってしまう不具合が発生します。この不具合は、その後ろから追いついた荷物と玉突き事故を起こしたり、大渋滞を起こす原因となり、結局人が付きっきり状態になります。万有引力は、意外と制御しづらいアイテムの一つです。

重力加速の恐ろしさは、高重力なるとますます手がつけれません。災厄は大破ということになるので、くれぐれもお気をつけください。

 

■コンベヤ設備を構築すると楽にはなるが、送る手間は変わらない

 
コンベヤ設備を構築する1つの目的に省力化がありますが、やはりコストダウンです。2人で行っていたことを1人で行う。1人で運んでいた作業を0人にする。など人を効果的に配置し、人件費を抑えることは物流においても大きな目標の一つです。運ぶ重さが楽になった(楽になる)だけでは、物流改善の効果は半減です。

誰も居なくても運んでくれる設備は優秀ですね。優秀な機械はやはり高価です。駆動が無いことで安い設備投資にはなりますが、人件費を抑えれる設備投資を目指したいですね。

 

【軽く押せば動いてくれるってすごい】

 
フリーコンベヤの上に重たい荷物を置く。動かそうと思ったら、手で押したって、足で蹴ったって進みます。なんて幸せなことなんでしょう。もし、床に置いていたとしたら全く動かないかもしれません。腰が抜けるほど苦労して運ばなければならないかもしれません。上述で、手間は変わらない。人は減らないって言いましたが、楽に動く幸せは、テコでも動かない時の苦しみを知らなければ、味わえません。幸せの継続のためには、フリーコンベヤや台車の上に載せましょう。

 

【線路は続くよ♫ どこまでも・・・コンベヤは?】

 
線路のように続くコンベヤライン。長く続くことが目的ではありませんが、チョットだけでは役に立ちません。
A地点とB地点を結ぶ、B地点とC地点を結ぶDEFG・・・・Z きっと工場中コンベアだらけ。
コンベヤで結べば楽になる。便利になりますが、設置しちゃうと邪魔ですね。開かずの踏切が・・・・

コンベヤを設置すると、その分だけ自由なスペースが消えてしまします。駅がバラバラであればあるほど分断されます。こんな時には、船がいいな鉄道よりも自由に進みます。

この場合、船は、キャスター台車ですね。フリーコンベヤラインが電車なら船がキャスター台車です。
キャスターに載せ替えて島に渡れば、線路を敷かなくても隅々まで運ぶことが可能です。

コンベヤで運ぶ⇒キャスターで運ぶ⇒コンベヤで運ぶ 使い分けが必要です。
でも、コンベヤからキャスターに積み替えるのが大変です。載せ替えるときに重さとの戦いが発生します。
こんな時は、弊社のCAS×CON コンベヤ⇔キャスターをスムーズに楽々に移載する新しい機器です。
CAS×CONの基本構成は、フリーコンベヤとキャスター台車です。フリーコンベヤは、物流の基本です。

 

CAS×CON(キャスコン)URL:https://raku-logi.com/2018/04/308

事例URL:https://raku-logi.com/2018/04/360

 

【段差、傾斜に弱い】

 
フリーローラコンベヤを設置するとき、床の段差や床の傾斜が問題になることが多いです。
フリーコンベヤと言えどもコンベヤです。プロの目から見るとテキトウに設置しても真直に進むわけがありません。コンベヤに対して荷物が徐々にずれていく。段差でガッタンってなってしますなど、設置環境の整備が必要です。

一見平らに見える作業場所の床、B玉を転がすとドンドン転がって行っちゃいます。床には、元々設計上チョットだけ傾斜をつけているところがあります。「水勾配」です。最終的に水が集まって行き、溝や排水口に流れ込むように作られています。こんな傾斜の床にフリーローラコンベヤを設置すると、思わぬ方向に進んで行ったり、ローラ芯からずれたりします。コンベヤが水平に設置されること。物流機器設置の基本です。よく調べてから計画しましょう。

必要に応じて、調整脚やライナーを用意することをおすすめします。簡単なものだったら、ホームセンターにでも売っていますよ。

 

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